―脊髄神経鞘腫(せきずいしんけいしょうしゅ)―
こんな病名を聞いたことがあるでしょうか?
私は初めて聞く言葉でした。
脊髄の病気ってことは重症?
鞘腫って、なんぞや。
なんだか恐ろしそうな名前だし。
整形外科の先生に「腫瘍ですね」と告げられた時
心の中で(またか…。)と思いました。
以前、甲状腺がんの手術を受け
ようやく10年が経ち
もう大丈夫、と一息ついたところだったのに。
病名がわかり、手術のできる別の病院を紹介され
色々と検査を受け、手術の日が決まったけれど
なんとまだ1ヶ月以上も先の日程。
主治医の先生には
「これでも早い方だよ」と言われたけど。
痛み止めの薬を飲んでいても
毎日毎日痛くて眠れず、
日中少しでも眠れればいいのだけれど
仕事があるのでそうもいかず。
始業前や昼休みの5分、10分という細切れの時間
できるだけ横になって休んでいました。
(在宅勤務でありがたかった~)
特に寒い時期は辛かった。
就寝時は余計に腰が痛み
(夜間横になると痛みが増すのは
この病気の症状のひとつだそうです)
ずっと同じ姿勢で寝ていると更に痛むので
何度も寝返りを打ったり
夜中に布団の上に起き上がり
身体をゆらゆらさせて
痛みを紛らしていたっけ。
時には寝るのを諦めて
部屋の中をぐるぐると歩き回ったり
(怪しい人だね)
こたつのある部屋に移動して
開き直ってサブスクのドラマを見ていたり。
しばらくすると疲れて眠り、
また2時間半くらいで目が覚める。
ある寒い冬の真夜中
いつものようにきっかり2時間半後に目覚め
腰が痛くて布団の上に座り込み
身体を左右に揺らして痛みを逃していました。
(こんな夜中に私、何してるんだろう。
なんでこんなに痛いんだろう。
私、何か悪いことした?
甲状腺がんもやってるのに、更にまた病気?)
(人生の幸と不幸の量は同じというけれど
今こんなに辛い思いをしてる分、
この先私はハッピーになれるの?)
その時突然、ある思いが沸き起こりました。
「このままでは終われない!」
何故かふと、そう思ってしまいました。